車の運転中に、地震やゲリラ豪雨などの自然災害に巻き込まれることがあります。
災害のなかで最も怖いのは、「地震」です。
昔から「地震・かみなり・火事・おやじ」といいますし、地震は大きな揺れだけでなく、津波や土砂崩れなども引き起こします。
では、運転中に地震に遭遇してしまったら、自分の身を守れるにはどうすればいいのでしょうか?
『車の運転中に地震にあったときの対応方法』についてお話しますね。
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目次
近年、自然災害が大幅に増えている。 大型地震が起こる確率も高い
地球は、10数枚のプレートで覆われていて、陸地や海はそのプレートの上に乗っています。
このプレートがぶつかり合うことで地震が発生し、同時に各地の火山活動も活発化します。
日本は、「北米プレート」「ユーラシアプレート」「太平洋プレート」「フィリピン海プレート」の4つのプレートに囲まれているので、地震が多いんです。
近年、自然災害が増えています。
2018年4月19日には、宮崎県、鹿児島県境にある「霧島連山のえびの高原・硫黄山」が250年ぶりに噴火して、不穏な空気が流れました。
2018年7月には、西日本を中心として集中豪雨による災害「平成30年7月豪雨」も起こりました。
また、東京湾にクジラが現れたり、各地の海岸にクジラが打ち上げられたりするなど、何かの前兆じゃないかと思うようなことが次々起こっています。
防災科学技術研究所が発表する地震予知によると、2018年6月に入ってから地震活動が活発化していて、30年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる危険性は、
- 千葉県千葉市が85%と、都道府県庁所在地で最も高くなっている
- 静岡県静岡市が70%
- 高知県高知市が75%
と、各地の危険性もとても高い状況なんです。
では、実際に車を運転中に地震が発生したらどうしたらいいのでしょうか?
消防庁が発行している防災マニュアルでは、「ハザードランプを出し、周囲を確認しつつスピードを落とし、路側帯等に車両を寄せて止まる」とされています。
しかし、あなたは、実際に地震に遭遇したとき、冷静に行動できそうですか?
対応によっては命に関わることも十分にありうるので、慌てないのが一番なんですが、なかなか難しいですよね。
そこで、過去の災害事例を参考に、シーンごとに運転中に地震が起きたときの対処法をお話しますね。
運転中に地震に遭遇したときの対処法
それでは、シーンごとに、運転中に地震にあったときの対処法を紹介しますね。
都市部の一般道で地震に遭遇した場合
一般道路を走行中に地震が発生した場合は、できるだけ早く車を停止させてください。
ただし、急ブレーキは危険なので、まずはハザードランプをつけ、左右を確認しながら左車線の路肩にゆっくり停車させてください。
車内は、建物内や屋外に比べて安全な場所と考えられているので、安全に停車した後は車内にとどまっても大丈夫です。
車内でラジオやスマートフォンなどで被害状況を入手し、次の行動を考えてください。
ちなみに、止めたところが
・高速道路の直下
・橋脚の下
・トンネル内
・古いビルの近く
などの場合は、落下物による被害を受ける可能性がありますので、できるだけ避けて停車してください。
地震が発生したあとに、都市部において問題となるのが「大渋滞」です。
警察は、緊急車両を優先通行させるために、交通規制や進入禁止の措置を行います。
また、避難のために道路上に車両を乗り捨てたり、歩行者が道路上に立ち入ったりして、道路が駐車場化してしまうこともあります。
そのため、車を乗り捨てて避難する場合は、次の点に気を付けてください。
- 幹線道路の路側帯に放置せず、できるだけ駐車場などの広いスペースに停車させる
- やむえず路側帯に乗り捨てる場合は、ドアロックをしないでキーを付けたままにする
- メモ用紙に自分の連絡先を書き、ダッシュボードに置いておく
キーをつけておけば、警察などが車を移動するときにスムーズに行うことができます。
しかし、キーをつけておくことに抵抗がある人もいますよね。
そのような人は、ドアロックはあけたまま、キーを持っていくようにしてください。
郊外・山間部・沿岸沿いなど、地方部の一般道路で地震に遭遇した場合
郊外や豊かな自然の中を運転中に地震に遭遇した場合は、都市部では考えられないような2次的災害に遭うことを想定しなくてはいけません。
例えば、海岸沿いや川沿いでは津波や河川の氾濫など、山間部では落石などです。
まず、海岸沿いを走行中に地震に遭遇したら、安全に車をとめ、すぐに「津波情報」を確認してください。
震源地が海溝(深い海底の凹所)などの場合は、津波が起こる可能性があるので、できるだけ早く高いところに避難してください。
2011年3月11日の東日本大震災では、多くの人が津波の被害に遭いました。
「地震の避難は車ではなく徒歩で」といわれていますが、場合によっては通用しないこともあります。
津波や河川の氾濫は、数分の差で命拾いすることがあります。
より安全な場所へ避難するために、最善の手段が車なら迷うことなく車で移動してくださいね。
高速道路で地震に遭遇した場合
地震が発生したときに、最もリスクが高いと考えられるのが「高速道路を走行中」です。
高速道路は、多くの車が高いスピードで走行しています。
そのため、地震発生時に急ブレーキを踏んで、追突事故を起こす可能性が高いんです。
2018年6月18日の大阪北部地震では、高速道路上で車が飛び跳ねるような動きをし、横転しそうになったそうです。
幸い大きな事故は報告されませんでしたが、1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災の時は、無数の追突事故が発生しました。
また、高速道路が倒壊し、車が地上に落下するなどの衝撃なことも起こりました。
追突事故を避けるためにも、高速道路上ではとにかく冷静な判断が必要なんです。
高速道路を走行中に地震を感じたら、次の点に気を付けて避難してください。
- 最初の揺れが収まるまで、追突事故に巻き込まれないようにする
- 絶対に急ブレーキをかけず、ゆっくりと減速し、慌てずに左側路肩に停車してエンジンを止める
- エンジンを止めたら、追突事故が起きないようにハザードランプをつけ、停止表示板を後方から進行してくる車から見えやすい位置に置く
- 揺れが複数回続く可能性を考えて、停止後、なるべく早く高速道路外に移動する
- 地震後、大渋滞が発生し身動きが取れなくなり、車両火災など身の危険が迫った場合は、車を捨てて非常口から避難する
橋脚やトンネル付近は、震度の大きさによって崩落の危険があるため、極力その場所をさけて停車するようにてくださいね。
地震のときに最も危ない高速道路はどこ?
今、首都高速道路の老朽は、かなり深刻な状態で、完成時から50年以上経っている区間があります。
ですが、首都高速道路は、首都圏の大動脈となっているために、簡単に架け替えることができず、架け替えが全て完了するのは2026年となっています。
1962年に造られた古い区間は、震度6強〜7の地震に耐えられない状況なので、首都高速道路はとても危険な状態なんです。
また、東名高速道路や中央高速道路、関越自動車道など、主要高速道路の耐震性も完全ではありません。
というのも、高速道路は住宅などと異なり、さまざまな地盤の上に造られているため、盛土などが行われた場所では崩落の危険があるからなんです。
そのような中、最も危険な道路は、どこにでもある「トンネル」や「橋脚」なんです。
もちろん、トンネルや橋脚にも地震対策が行われていますが、想定外の地震動によっては、橋桁が落ちてしまう可能性があります。
揺れを感じたら、絶対にトンネルや橋脚に入らないようにしてください。
また、橋脚上を走行中に揺れを感じたら、できるだけ橋脚上にとどまらず安全を確認しながら通過してください。
トンネル内も出口付近が見通せる状況なら、注意して低速で通過する方がいいです。
トンネルや橋脚は、相当のリスクが存在しますので、くれぐれも気を付けてくださいね。
大地震が発生した後、車中で生活するための必要アイテム
大地震が発生すると、道路の陥没(かんぼつ)や亀裂、塀や電信柱などの倒壊によって道路が塞がれてしまうため、車での移動が難しくなります。
本格的なSUVなら、障害物を乗り越えて災害地から逃れることができるかもしれませんが、一般的な車両では難しいです。
そこで、外出先で災害に遭った場合に、車中で生き延びるための必要アイテムを紹介しますね。
段ボール箱、ガムテープ
段ボール箱は、普段は折り畳んでトランクルームの下敷きにいておけば、邪魔になりません。
段ボール箱のサイズは、いろいろありますが、車内のレッグスペース(足元空間)に収まるサイズを選んでおくのがポイントです。
レッグスペースに段ボールを入れれば、フラットなスペースを作ることができるので、エコノミークラス症候群を防ぐことができます。
また、段ボールは保温性にも優れているので、敷布団や毛布の代わりに使うことができます。
カーテンとして窓に貼れば、プライバシーが確保できますし、保温効果を得ることもできるんです。
ちなみに、段ボールを使用するにあたって不可欠なのが「ガムテープ」です。
段ボールとセットで常備しておいてくださいね。
ビニール袋
段ボール箱にビニール袋を入れれば、水タンクにもなります。
あるいは、簡易トイレとしても活用できます。
非常食(ペットボトルの飲料水、せんべい、レトルト食品など)
食料は、生命を維持するのに最重要な資源です
「自宅には用意してある」という人は多いと思いますが、車内に用意している人はどれくらいいるでしょうか?
外出先で災害に遭うこともあるので、積んでおいた方がいいんです。
非常食は、乾パンなどの災害用非常食でもいいんですが、あまりおいしいといえないので、保存期間が長い「せんべい」などがおすすめですし、レトルト食品も保存性が高くていいです。
ちなみに、液状のレトルト食品ならエンジンルーム内で温めることができるんですよ。(お米などの固形物は温めることはできません)
折り畳み式水タンク、クーラーボックス
折り畳み式の水タンクは、いざというときに大量の水を確保できます。
保温・保冷ができるクラーボックスも使い勝手がよく、水タンクとしても活用できるのであると便利です。
ほかにも、「トイレットペーパー」や「厚手のキッチンペーパー」があると便利です。
地震は、いつやってくるか予想できないので、日頃からの備えが大事です。
もしもの災害に備えて携帯しておくべき三種の神器
東日本大地震が起こったのは午後2時46分だったので、多くの人は学校や職場にいました。
阪神淡路大震災が起こったのは午前5時46分と、寝ている人がほとんどでした。
水害は、大雨が降って河川が氾濫するまで時間があるので準備や避難ができますが、地震はいつどこで起こるかわからないので、事前の準備ができません。
いつ災害にみまわれても自分自身を守れるように、最低限この3つだけは持っておくといいです。
ちなみに、この3つのアイテム、「三種の神器」と呼ばれているんですよ。
ホイッスル(自分の位置を知らせる)
救護を呼ぶときに不可欠なアイテムです。
ケガをしたり、どこかに閉じ込められてしまったりしたとき周囲に助けを求めますが、声を大きく張り上げると体力が奪われてしまいます。
少し息で、大きな音が鳴るホイッスルがいいです。
防水マッチ(火付け道具)
災害時、火を確保することは、生き延びるために不可欠です。
火があれば、暖を取ったり、食料を温めたりすることができます。
さらに、人間は、炎を眺めるだけで心を落ち着かせることができるんです。
火をつける道具は、ガスライターが便利ですが、長期間使用しないとガス漏れを起こすことがあります。
なので、頭薬にロウが塗ってある防水マッチがいいです。
雨風の中でも点火でき、長期保存もできます。
防水マッチ用の金属ケースがあるので、それに入れて保存するのが一番です。
ミニペンライト(ヘッドライトでもOK)
今は、携帯やスマートフォンにライト機能がありますが、非常事態では通信機能を重視すべきなので、ライトでバッテリーを消耗させるのはよくありません。
暗闇で状況を把握するためにも、小型ライトは必要です。
三種の神器は、普段から持ち歩き、就寝時も枕元に置いておきましょう。
地震が起きた時の最初の行動について
地震は、いつどのような状況で起きるかわかりませんよね。
家や職場などで、地震がきたらどんな行動を取ればいいんでしょうか?
その方法について紹介します。
マンション内
旧耐震構造の一部の問題のある建物や、ピロティ式といわれる1階が駐車場などの特別な建物以外、日本のマンション(集合住宅)は、地震によって全壊する可能性はかなり低くなっています。
ただ、室内に固定していない家具や重量物が置いてある場合は、それらの下敷きになって命を落とすことがあります。
室内で地震がきたら、まずはクッションなどで頭を守り、重い家具から離れてください。
マンション内では、狭い割に柱の多い「廊下や玄関」が安全ゾーンとなっています。
ぐらっと揺れを感じたら、すぐに廊下や玄関に逃げてください。
戸建ての場合
住居が木造建築で、さらに1981年以前の旧耐震建築の戸建ては、地震発生時に倒壊する可能性があります。
本来なら、家屋の耐震化や建て替えを行うほうがいいんですが、結構なお金もかかるため、簡単にはできませんよね。
そこで、寝室だけでも安全な場所にしておきましょう。
万が一の倒壊時に逃げ込む場所として、頑丈な机などを用意しておくのも一つの手ですよ。
地震発生時の対処は、基本的にマンションと一緒で、安全ゾーンの玄関や廊下に速やかに避難してください。
そして、最初の揺れが収まったら、屋外に退避してください。
ただ、木造の家屋は、一部でも被害が発生した場合は、倒壊の恐れがあるので、すぐに戻ると危険です。
自治体の耐震診断を受けて、安全を確認してもらえるまでは、避難所にいるほうが安全ですよ。
高層ビルの場合
一般的に現代の高層ビルは、震度7程度の地震には耐えれるように造られています。
しかし、「長周期型」の地震が発生すると、高いビルほど揺れは大きく、揺れの時間も長く続きます。
理論上は、上層階が折れるということはないので、その点は安心なんですが、高層ビルで危険なのは、下層階で火災が発生した場合なんです。
すぐに階段を降りて避難したいところですが、階段部に煙が侵入する危険があります。
屋外への避難は、放送などで指示があるまで、情報取集をしながらその場で待機する方が得策です。
古いビル(耐震基準を満たしていない)の場合
旧耐震基準の建物は、現在日本に無数に存在しています。
・旧耐震基準とは、震度5程度の地震に耐えられる建物
・新耐震基準とは、震度6強から7程度の地震でも倒れない建物
となっています。
しかし、「新耐震基準であれば震度6の地震で絶対に倒れない」という訳ではありませんし、「震度5の地震がくると旧耐震基準の建物は必ず倒壊してしまう」という訳でもないんです。
ただ、古いビルは内部の崩壊よりも、外壁などの外部の崩壊のほうが危険で、ビルの周辺を歩いているときに、被害に遭う可能性が高いです。
実際に、東日本大震災では、多くのビルの外壁部分の崩落が報告されています。
普段の生活圏内にある、ブロックなどにヒビが入っていないか確認し、そのルートを避けるのも地震回避の方法です。
屋外
街中や路上で地震にあう可能性もあります。
屋外で地震を感じたら、まず上方からの落下物がないかを確認してください。
危険がある場合は、かばんなどで頭を保護しながら、安全な場所へ避難します。
とくに、都会のビルなどが立ち並ぶオフィス街や繁華街にいる場合は、窓ガラスの破片や看板などが落下してくる可能性が十分にありますので、気を付けなければいけません。
また、ブロック塀や電柱、自動販売機なども倒れる危険があるので、近くにいる場合はすぐに離れてください。
近くに公園や空き地、駐車場など広い場所があるときは、そこに避難してくださいね。
まとめ
地震はいつ起きるかわからないものです。
いざという時、冷静に行動するためにも、日頃からきちんと対策をしておくことがとても大切です。
対策をして、大地震が起こっても困らないようにしてくださいね。
ちなみに、2016年に発生した熊本地震のあと、ガソリンスタンドは比較的早くガソリンの販売が行われるようになったようです。
とはいっても地震の翌日は、ガソリンを買うまでにけっこう並んだそうなので、定期的に車のガソリンは満タンにしておいたほうがいいですよ。
※ガソリンスタンドに調査した結果があります
⇒熊本地震後、被災地のガソリンスタンドの状況はどうなっている?