車がすべてEV(電気自動車)になったら本当にCO2は減るの?

目安時間:約 8分

 

2040年までにイギリスやフランスが、ガソリン/ディーゼル車の販売を禁止にすると発表しました。

 

EV(電気自動車)だけにすることで、二酸化炭素(CO)の排出量を減らして、環境にやさしい社会をつくることを目的としています。

 

とはいっても、EVは電気を使って走りますが、その電気は、原子力発電所や火力発電所などで作った電気を使います。

 

火力発電所で電気を作ればCOなどが排出されてしまいますが、それでもEVのほうが環境にやさしいのでしょうか?

 

そこで、『車がすべてEVになったら、本当にCOは減るの?』についてお話ししますね。

 

 

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車をすべてEVにしたら、原発(原子力発電所)を2倍に増やす必要がある

フランスやイギリスをはじめ、今、多くの国でガソリンエンジン/ディーゼルエンジンからEV(電気自動車)へシフトしつつあります。

 

EVへのシフトは環境のためなのですが、EVを走らせる電力は発電所で作った電気なので、COを減らすためには発電方法が重要になってきます。

 

・太陽光発電

・風力発電

・水力発電

 

などのような、自然の力で発電する方法なら、COや排気ガスは発生しません。

 

 

また、原子力発電は、核分裂のエネルギーを利用して発電するので、COを排出しません。(ただし、使用済み核燃料が作られたり、原発の安全性の問題があったりします)

 

そのため、COや排出ガスだけで見れば、原子力発電とEVの導入をすすめれば、大幅に減らすことができます。

 

 

2040年までにすべての車をEVにすると宣言したフランスは、原子力発電がかなり普及しています。

 

なんと発電する電力の70~80%が、原子力発電なんです。

 

フランスは、EV化ができれば、90%近くCOを減らすことができるといっているんですよ。

 

 

 

ただし、すべての車をEVにする計画には問題があります。

 

すべての車をEVにするには、原子力発電所をたくさん作る必要があるんです。

 

 

日本にある原子力発電所の発電能力は、1基あたり100万kWです。(1時間当たりの発電量は、100万kWh)

 

たとえば、1km走るのに160Wh、1時間に60km走って10kWを消費するEVがあるとします。

 

すると原発1基で動かせるEVの数は、1時間あたり10万台となります。

 

 

今、日本には約7700万台の車があります。

 

1台あたりの平均稼働時間を2.4時間とすると、1時間あたりでは770万台の車が動いていることになります。

 

原発1基で10万台/hのEVを動かす電力を作ることができるので、770万台/hの車を動かすには、77基の原発が必要になるんです。

 

 

日本で走るクルマをすべてEVにしたら、単純計算で原発が77基も必要で、(2017年9月現在で、)日本で動いている原発は42基なので、2倍近くまで増やす必要がある計算になるんです。

 

 

EVよりもハイブリッドカーのほうがCOの排出量が少ないことも

先ほど日本のクルマをすべてEVにしたら、原発を2倍に増やす必要があるとお話ししましたね。

 

けれど、近年は、原発を減らしていこうという流れなので、増やすのは現実的ではありません。

 

となると、EVを走らせる電力は、火力発電で作ることになります。

 

 

電力会社いわく、COの排出量は、

 

・石油を使った火力発電は700g/1kWh

・石炭を使った火力発電は900g/1kWh

 

となるそうです。

 

となると、先ほど例に出した1時間に60km走って10kWを消費するEVは、7~9kgのCOを出すことになります。

 

 

プリウスのCO排出量は、カタログでは60g/kmです。

 

カタログより実走行のほうが悪化することがほとんどなので、実走行なら100g/kg排出すると仮定すると、プリウスが60km走ると6kgのCOを排出することになります。

 

 

 

これまでの計算をまとめると、EVやプリウスが60km走るとCO2の排出量は、

 

●石油の火力発電のEV:7kg

●石炭の火力発電のEV:9kg

●プリウス:6kg

 

となります。

 

なんと、EVよりもプリウスのほうが、COの排出量が少ないんです。

 

あくまでも計算上の話なので、実際は違ってくることもありますが、EVよりもハイブリッドカーのほうがCOの排出量が少なくなる可能性があるんです。

 

 

全てをバランスよく進化させることが大切

計算上では、総合的に考えると、EVよりもプリウスのほうがCOの排出量が少なくなる可能性があるとお話ししました。

 

プリウスよりも燃費の悪い車の場合は、COの排出量が増えるので、EVのほうがCOの排出量が少なくなります。

 

 

けれど、これまでの計算を見ると、無理にすべての車をEVにしなくても、ハイブリッドカーなど環境にやさしいクルマ全般OKにしたほうがよさそうですよね。

 

すべての車をEVにするなら、

 

・原発以外の環境にやさしい発電システム(風力、太陽光、水力など)を増やす

・火力発電の性能を上げる

・火力発電のCOや排気ガスを減らす

 

など、発電する側をもっと環境に対応したものにしていくことが大切です。

 

 

すべての車をEVにするのではなく、車、発電方法など、すべてをバランスよく進化させるのが一番よさそうですね。

 

今後、世界的にどのような流れになっていくか、注目していきましょう。

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カテゴリ:車のマメ知識 

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